京都府福知山市にある唯一の大学「福知山公立大学」
地元の両丹日日新聞などで、福知山公立大生(以下:公立大生)の活動が記事になっているのをよく目にします。
今日はそんな様々な活動をしている公立大生の中でも、団体として福知山のためにパワフルに活動している「DOKKO」(ドッコ)についてお話を聞いてきました!
お話してくれたのは、地域経営学部3回生、熊本出身の米村さん。

笑顔が素敵で、ずっとニコニコ楽しそうに話をしてくれました。
学生団体DOKKOとは?
DOKKOとは、福知山公立大学のサテライトキャンパスである『まちかどキャンパス』という名前から、「まちかどっ子」という言葉と、福知山で馴染みのあるドッコイセ踊りから「どっこ」というキーワードを取って名付けられたそう。
1年生6人、3年生5人、4年生3人、計14人のメンバーで活動されている学生団体です。(2022年2月現在)

DOKKOのテーマは「自分たちがこうなりたいと思っているビジョンを思い描ける人材、 達成するために動ける人材」
米村さんはこのテーマに心打たれてこの団体に入ったそうです。
DOKKOのメンバーは、常に全員で一緒に活動するというよりも、同じ思いを持つ人が集まりプロジェクトを立ち上げ、活動しています。
いま動いている 3 つのプロジェクトを紹介してもらいました。
ふく夜(よ)てら紙(し)プロジェクト

『ふく夜(よ)てら紙(し)プロジェクト』は、福知山市の伝統産業である丹後二俣(ふたまた)紙に目を向けて、新しいことをしようと立ち上がったそう。
丹後二俣紙は、福知山市大江町にある田中製紙工業所で制作されており、京都府の無形文化財に指定されています。
原料となる楮(こうぞ)の栽培から紙漉きまで、全てを田中製紙工業所で行われているところが他にはない特徴です。
このプロジェクトは「福知山の夜道が怖い」というプロジェクトメンバーの声をきっかけに、 地域課題と伝統産業を繋げ、夜道を照らす灯籠を持つ文化を作りたいと活動しています。

今後は新入生歓迎会の際のイベントとして、和紙の提灯を持って夜の福知山を散歩するイベント開催も予定しているそうです。
藍+プロジェクト

次は、福知山市の伝統産業である藍染に目を向けて、藍染で何かを作りたいと立ち上がったプロジェクトです。
かつて由良川沿いで盛んだった由良川藍と藍染。
一度は廃れてしまったものの、40年前に復活。その後福知山藍同好会が発足され、現在は福知山市庵我地区で藍の家を構え、由良川藍普及のため藍の栽培や作品づくりを進めておられます。
ものづくりが好きな子たちが集まり、福知山の伝統文化である「藍染」を身近に感じて欲しいという思いから、福知山藍同好会の協力を得ながら藍染を使った現代風のハンドメイドの販売を目指して活動中です。
新町商店街で月に一度開催されている福知山ワンダーマーケットでは、ふく夜てら紙プロジェクトとコラボしてワークショップを開催。
藍染と丹後二俣紙を使ったツリー型ランプのワークショップは子どもや親御さんに好評で、作品を片手にワンダーマーケットを回る子どもたちの姿が印象的でした。
今後は福知山藍同好会との共同活動や藍に関するSNSの発信を予定しているそうです。
アンソレイユカフェプロジェクト

最後は、福知山の高校生に様々な方法で地域での活動をアプローチすることを目的とした『アンソレイユカフェプロジェクト』
まずは、高校生でも気軽に立ち寄れる「カフェ」という媒体からのアプローチを目指し、活動されています。
米村さんが所属しているのはこちらのプロジェクト。
多くの公立大生は地元が福知山市外なので、卒業すれば福知山を離れてしまいます。
ただ、地元で育っている高校生はおそらくこれからもずっと福知山と関わり、これからの福知山を変えていく存在です。
そんな高校生と関わり、福知山という地域で何か活動を一緒にできればという思いが、対象を福知山の高校生にした理由だそうです。
「アンソレイユ」というのはフランス語で「陽だまり」という意味で、温かくて気持ちもポカポカする、そんな場所にしたいという想いを込めて名付けられました。
ただ場所を用意するのではなく、高校生の導線などを考えながら「高校生が学校帰りに通うならここが良いんじゃないか?」「ここは学生が通りにくいかも、」などと話し合いを進めており、そのために地域調査もしているそうです。
現在、2022年3月末までのオープンを目指して準備を進めています。
私が高校生の時には大学生と関われる場所なんて全くなかったので、どういった雰囲気のカフェになるのかとても楽しみです。 私も高校生に扮して行けないかなぁと思ってしまいました(笑)
今後はワークショップの開催や、高校生が実際に通っている高校へのアプローチも視野に入れ、活動予定だそう。
他にも各プロジェクトとは別で、福知山ワンダーマーケット(現在コロナ禍で休止中)にスタッフとして参加したり、地域の人からの依頼に対応したりと、DOKKO のメンバーはどんどん福知山の地域に入って積極的に活動しているようです。
さいごに
改めて思ったのは「公立大生ってすごい」です。
私が大学生の時、地元でもなんでもない地域のためにここまで活動できたかな?と思うと福知山のために活動しているDOKKO のメンバーを心から尊敬します。
米村さんの話を聞いて、どこかの会社の理念になりそうな『自分たちがこうなりたいと思っているビジョンを思い描ける人材、達成するために動ける人材』というかっこいいテーマ通り、1人1人が思いを持って真面目に活動していることが伝わってきました。
どのプロジェクトも、目を向ける場所が伝統産業だったり、地元の高校生だったり、本当に「福知山の地域」を大事にしてくれている印象でした。
これからも福知山のために活動してくれるDOKKOを私は応援していきます!